乳幼児期 (infancy)

 乳児期は、誕生~1歳半くらいまでを指します。人間の生涯を便宜的にいくかの発達段階に分けた最初の段階です。その次にくるのが、幼児期で1歳半~6歳くらいまでを指します。

 発達は、従来出産から始まるとされていました。しかし最近、胎児期についても重要性が指摘されるようになってきています。人は出生時にすでに成人と同数の脳細胞を有しています。神経繊維の髄鞘形成やグリア細胞の増殖などは、乳児期に完成します。幼児期においては、ニューロンのネットワーク形成が大部分に完成します。乳幼児期は、このような解剖学的変化を基礎に、言語獲得などの精神発達において急速な変化が生じるのです。
 乳児にも成人の正確に相当するようなさまざまな個性があり、これを気質といいます。これは生まれながらに備わっている特性です。
 この時期の子どもは、授乳など母親の養育によって、母親との愛着を形成します。E.H.エリクソンの精神分析理論によれば、人間の基本的な信頼関係が、この時期に形成されます。
 最近の乳幼児期のさまざまな精神保健上の問題の研究の一つの流れは、乳幼児の気質と、最も重要な人物である母親への愛着形成の2つの軸から研究することです。

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乳幼児の精神保健上の問題

 乳幼児の精神障害の例には、

  • 精神遅滞や広汎性発達障害などを含む発達障害
  • 分離不安障害などの不安障害
  • 愛着形成の障害である反応性愛着障害など
  • 心理的および性的虐待、親が世話をしない放置など、いわゆる虐待も深刻な問題

 があります。
 また、精神障害とは診断されない程度のさまざまな反応的状態や発達上の問題、神経症的状態の発生への関与の可能性があるものとして、

  • 親の不在や不和
  • 子どもへの拒否
  • 放任
  • 無視
  • 強迫的および厳格な育児態度

 などが挙げられます。
 それらの背景には、近年の核家族化と少子化の進行があります。これは、母親の育児に関する伝承が不十分、情報過多の中で孤立した母親の不安な心理状態にするなどの問題を引き起こしています。
 近年、臨床心理領域において「子育て支援」「児童虐待」への取り組みがなされてきている。

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