老年期 (senescence)

 従来60ないし65歳以上を指す言葉です。
 エリクソンは人生の終焉までも視野にいれて発達を論じています。
 人は老年期の「統合」という課題に直面し、過去を再体験せざるをえません。
 エリクソンは、およそ65歳以上の老年期を成熟期としました。自分の人生を振り返り、死を意識し始める時期であり、人生の晩年の締めくくりの時です。
 自らの人生を受け入れ、自分の生涯を意味あるものとしてまとめることができた者は、「自我の統合性」を獲得します。逆に、受け入れられない者は人生をやり直す時間がないという気持ちが「絶望」を生みます。
 自我の統合性とは、自我の一貫性と全体性の感覚であり、全体を一つにまとめようとする方向性です。ある者は、死に直面して回避できないことを知り絶望します。また、自分の一生を振りかえり、何の意味も見出せない、無価値だと嫌悪し、希望を失い、絶望します。しかし、絶望にさらされながらも生き抜くことに価値を見出し、自分の一生をまとめ、その意義を認めて死を受け入れていく統合性を獲得できたとき、「英知」という徳が身につきます。

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