集団規範

 集団規範とは、集団内の大多数のメンバーが共有する判断の枠組みや思考様式のことをいいます。集団のメンバーは相互作用を続ける過程で、認知や判断、行動について「こうあるべきだ」という一定の基準や価値観を共有し、規範を形成する。規範はメンバーの心理と行動に強い影響を及ぼします。
 集団規範は、個々のメンバーの心理と言動という小さな単位の要素が集団生活を経て、相互作用を積み重ねる中で創出していく大きなレベルの要素の代表的なものです。
 社風や学風、チーム・カラーのように、集団レベルの心理現象として記述される場合もあります。しかし集団そのものは心を持っていません。集団規範は大きなレベルの現象ですが、あくまで個々のメンバーの心理課程に存在しています。

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集団規範の生成課程

 M.シェリフは、集団規範が生成されていく課程について実験を行いました。
 実験では参加者に対して、完全な暗闇にした実験室の中で、針の穴から漏れてくる光の点を2秒間観察させ、何インチ動いたように見える化を回答させました。
 一緒に光の点を見た参加者たちは、最初こそバラバラな数値を答えていましたが、実験を繰り返すうちに非常に似た数値を回答するようになっていきました。
 似た数値に対する判断への自信は、時間が経過して、個別に再度判断を求められても揺らぐことは多くありませんでした。
 最初は異なっていた互いの意見が1つにまとまっていたことで、その判断は集団規範となり、メンバーたちの心に根付いたといえます。

リターン・ポテンシャル・モデル

 メンバーが共有している規範の特性について、J.M.ジャクソンは、横軸に行動の程度をとり、縦軸にそれぞれ行動程度に対するメンバーの評価の程度をとる2次元グラフを用いて、集団規範の存在を把握するリターン・ポテンシャル・モデルを考案しました。
 このモデルでは、真面目に働く程度が高くなるほど是認される程度も高まるのですが、ある一点を超えると、急激に否認方向へと転じます。この境界点は最大リターン点と呼ばれます。

斉一性の圧力

 集団規範は、個々のメンバーが相互作用する中で作られていくのですが、一度確立すると、今度は多様性を持つメンバーたちに一定の共通した認知や行動パターンを植え付けてくような影響を及ぼします。
 規律は大多数のメンバーによって共有されているがために、規範を逸脱する行動をとるメンバーに対して規範に従うように周りのメンバーからの働きかけが行われます。この働き方は斉一性の圧力と呼ばれます。

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