教育心理学とは?

 教育心理学とは、教育に関わる心理現象を研究する心理学の分野のことをいいます。
 教育心理学は100年以上の研究の歴史を持っていますが、学習環境の変化の中でその枠組みを変化させていきました。
 1970年代までの学習研究を主導してきた連合理論と認知理論は、学習とは知識を獲得することとみなしていました。このため、1970年代までの学習指導では、知識獲得モデルの学習観に基づく知識を理解が中心でした。
 ところが、1980年代以降は社会的構成主義の影響が強くなります。また、学習科学という新たな枠組みが台頭したため学習観も変化します。
 社会的構成主義では、学習とは状況に依存するものであり、個々人の内部に独立して存在するものではないと考えられます。学習とは「人と人の間」に成立する社会的事象であり、人や物事との相互関係の中で営まれる社会的実践だと考えます。
 これはいわば知識共有モデルともいえます。この立場では、人と物事をつなぐ表現や技能が学力の重要な構成要因となります。
 一方で多様な隣接領域を総合することによって台頭した学習科学の学習観は知識創造モデルといえます。学習科学では、新しい知識を創造する思考・判断と、そのための関心・意欲が重視されます。

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教育方法の多様化

 知識獲得モデルの学習観では、教育とは知識を伝達することが重要視されます。
 このため伝統的な教科教育のカリキュラムで、各教科の親学問の知識体系の中から基本的な概念・知識を精選し、それを基本的なものからしだいに高度なものへと階層的に編成する系統学習の方式が採用されます。なぜなら、この系統学習こそが知識伝達のための最も効率的な教育方法だと考えられるからです。しかし、知識伝達モデルの教育は、多様な学力のうちの知識と理解の育成には効果的ですが、思考・判断や表現・技能、あるいは関心・意欲の育成には必ずしもつながりません。
 このため、学習観の変化に伴って、体験学習や協働学習、プロジェクト学習、トピック学習など学力の多様な側面をバランスよく育成するための多様な教育方法が開発・実践されることになります。

学習環境の拡大

 学習科学の出現は、学習環境の永躍的な拡大をもたらします。具体的には、学習科学の一翼を担う情報工学(IT)の急速な進歩によって、抽象的で理解が困難な概念の視覚化や、学校外の環境と類似した環境を教室内で視覚的に再現することが可能になりました。また、そうした学習支援ツールによって学習の足場かけが可能になっただけでなく、学校での学習が学校外での学習へ転移する可能性も高まりました。さらに情報工学の進歩は、教室の児童・生徒と科学者や研究者との双方向コミュニケーションを可能にし、例えばコンピュータ支援による協調学習のような学習環境をもたらしました。

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